ベトナム史上最大規模の闇金融組織を摘発。首謀者逮捕、2名逃走中

ベトナムの安定した経済成長の裏に隠れた金融会社の闇

ベトナムでは安定した高い経済成長率に伴ない、2015年頃から消費者金融市場が拡大しています。経済の成長は消費意欲にも繋がり、国民の消費意欲は金融市場の間接的な温床となり下支えをします。その一方で、いまだに高金利や闇金融といった問題が色濃く残っていることも現状です。

そんな最中の11月29日、公安省刑事警察局と北中部地方タインホア省警察は全国63省・市で活動していた国内史上最大規模の闇金融組織を摘発したと発表しました。その対象となったのは「ナムロン金融社」という闇金会社。事の発端は7月に遡ります。

今年7月に死亡したベトナム人青年の不審点

今年の7月19日、とある男性が死亡しました。男性の名前はグエン・バン・ミンさんで、まだ19歳の若い青年でした。グエン・バン・ミンさんには凄惨な暴力を受けた跡があり、タインホア省総合病院に運ばれた後に息を引き取りました。事態を重く見た同省警察が捜索した結果、グエン・バン・ミンさんは「ナムロン金融社」という金融会社の債務回収員であることが発覚しました。

同7月、ミンさんはナムロン金融社の客から現金を回収しました。本来であれば当然会社に納付するところを、欲に眩んだのか現金を所持したまま逃走。その際、回収に使用したと思われる会社のバイクを質入れしていることから計画的な犯行であったことが予想されます。

ですがナムロン金融社のグエン・ドゥック・タイン社長(30歳)の命令を受けた組織に見つかり、あえなく捕縛。2日間に渡ってリンチを受け続けて死亡したことが分かりました。その後の捜査によりますと、ナムロン金融社は「事業登録の無い幽霊会社」であることが判明したのです。

国内史上最大規模の闇金融組織を摘発。2名いまだ逃走中

そして更なる調査の結果、ナムロン金融者は26の支社を置いて全国で活動している闇金融であることが発覚しました。今回の事件でその存在が発覚するまでに、判明した被害者は200人以上に上ります。また回収金額は5100億VND、日本円にすると約25億1000万円を越えるとのことです。

発覚まで時間を要したことの理由の1つに、従業員に対する厳しい規則・内規が挙げられます。タインホア省の警察は、首謀者であるグエン・ドゥック・タイン容疑者ら7人を逮捕。現在は2名が逃走中であり、指名手配の上で捜査を進めながら行方を追っています。

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