インドネシア地震原因解明へ
海面からの高さが最大11・3メートル(国家防災庁発表)に達した中部スラウェシ地震による津波。未だにその爪あとが残っている最中、海軍海洋・水路センターは12日、地震と津波の原因は「ドンガラ県ワニ村沖の水深200~500メートル地点で海底地滑りがあったことである」と発表しました。津波調査で現地入りしている中央大理工学部の有川太郎教授(海岸・港湾研究)は「今回の津波は地滑り型でほぼ間違いない」と語りました。
国営アンタラ通信によると、海軍は水深6千メートルまで探索可能な音響掃海機(マルチビーム・エコーサウンダー)「EM—302」を投入し海底を調査しました。ハルジョ・ススモロ海洋・水路センター長は、「横ずれ断層型の地震にしては強力な津波が発生した強い要因になる」と指摘しています。
13日夕に現地入りし、14日にドンガラ県北部を調査した有川教授。「今回発表された海底地滑りが、パル湾を襲った津波の主要因になったかどうかはシミュレーションをしないと確定はできないが、大きさから言うと明らかに(地滑りが起きた範囲は)大きい」と話しました。
今回の調査は、海洋水産省の依頼を受けて東北大災害国際研究所の今村文彦所長(津波工学教授)と共に5日に実施した調査に続く2回目となります。少なくとも、パル湾を襲った津波が一つだけなのかどうかを判断することが目的の1つです。
北海道とインドネシア 地震被害同士支え合う観光業態
インドネシアと同じく地震で大きな打撃を受けたことも記憶に新しい北海道。2017年度のインドネシアからの訪日旅行客は約35万人でしたが、その内北海道を訪れたのは1割に当たる3万4千~3万5千人となります。20年度には4万人実現を目指している状態です。
インドネシア・バンテン州にて、自治体参加の文化交流イベント「日本村」(日本・インドネシア国交樹立60周年記念事業)開催期間中の9月28~30日、会場のイオンモールBSDシティー(バンテン州タンゲラン)で、北海道フェスティバルが開かれました。
北海道はこの度の地震により、道内の宿泊キャンセルが延べ100万人を超えるなどの打撃を受けました。現在は、観光地のインフラ関係は復旧しつつあると言います。出展した北海道観光振興機構の藤井裕幸次長は「地震のイメージは大きく取り戻す努力をしていく」と話しました。
今回のイベントではインドネシア語字幕入りの道内観光地のPR映像を作り、また旅行会社やインスタグラマーを観光地に招き、魅力を伝えて発信してもらうなど地道な努力を続けていく予定です。11月下旬には、ジャカルタで北海道観光セミナーを開きます。
インドネシアと北海道、短い期間の中で大きな地震の被害を受けた国と地域同士、相互理解と共存をしながら前向きな復興を支え合えることが求められています。