コスメから、「インドネシアの女性の【今】」を知る
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)では、人口が東南アジア最大、世界第4位であるインドネシアに焦点をあて、デジタルネイティブと言われるジャカルタ在住20代女性の美容実態を調査した結果を纏めてリリースしました。
インテージは自主企画調査として日本、中国、タイ、インドネシア、インド、ベトナムなどアジア各国で実施している企画調査を行っていて、これを【Asia Insight Research】と命名しています。今回はこの調査結果に加えて、スマートフォンを用いた日記式調査MyReco(マイレコ)も含めた2つの調査結果を発表しました。
インドネシアの価値観や生活実態のみならず、「インドネシアの女性の【今】」を知るのに興味深い内容となっています。
ジャカルタの20代女性が使っている化粧品は?
まずは、ジャカルタの女性たちが使っている化粧品アイテムの比率から。
フェイスパウダー | 口紅 | ファンデーション | クリーム | リップクリーム |
88% | 76% | 54% | 41% | 40% |
アイライナー | 化粧水 | マスカラ | アイブロウ | 美容液 |
39% | 38% | 33% | 29% | 26% |
チーク | アイシャドウ | コンシーラー | その他 |
26% | 19% | 16% | 23% |
(引用データ:Asia Insight Research 2017 第2回調査)
調査結果を見てみると、ファンデーションを使うか・使わないかによって化粧品全般の使用比率が変わることが分かります。
日本人女性の多くが基礎コスメとして使用する化粧水も、ジャカルタの女性の使用率は半分以下などと、メイク状況はかなり違うようです。
アイシャドウやチークなどの所謂「カラーコスメ」の使用頻度も低いことから、ジャカルタの女性は「しっかりメイク派」と「ナチュラルメイク派」に大きく分かれていることが予想されますね。
ポイントとなるのは「ファンデーションを使うか否か」!
以下の表は、「ファンデーション使用者・未使用者ごとのほかコスメの使用頻度」となります。
その数字の差に注目しながら見てみましょう。
コスメ | フェイスパウダー | 口紅 | アイライナー | リップクリーム |
ファンデーション使用者の比率 | 99% | 89% | 54% | 51% |
ファンデーション未使用者の比率 | 75% | 60% | 21% | 27% |
化粧水 | クリーム | マスカラ | アイブロウ | チーク |
50% | 47% | 45% | 42% | 38% |
24% | 33% | 19% | 13% | 11% |
美容液 | アイシャドウ | コンシーラー | ハイライト | 乳液 |
31% | 28% | 26% | 11% | 10% |
19% | 8% | 5% | 0% | 3% |
(引用データ:Asia Insight Research 2017 第2回調査)
以上のデータから分かるように、ジャカルタの女性の中では「ファンデーションを使ってメイクをする=他のコスメも使ってしっかりメイク派」、「ファンデーションを使わずにメイクをする=カラーコスメなどもあまり使わないナチュラルメイク派」という傾向が強いようです。
しっかりメイク派・ナチュラルメイク派には、その生活リズムや慣習の違いが大きく現れています。次は同調査結果に基づいたそれぞれの特徴を見てみましょう。
「しっかりメイク派」の特徴
- フルタイム勤務
- メイクをするのが好き
- 化粧品購入先に百貨店が含まれる
- 移動手段は自動車が多い
- 情報収集はCM、オンライン広告、口コミ、SNS、ブログなど手広い媒体をチェックしている
「ナチュラルメイク派」の特徴
- フルタイム勤務以外にも学生・専業主婦の比率が多い
- お祈りの際に洗顔を行う
- ナチュラルな自分を見せたい
- メイクをする時間を他のことに使いたい
- 移動手段はバイクが多い
- 情報収集はCM、口コミなど限定的
メイク派の違いに見るインドネシアの生活実情
この違いの背景には、ナチュラルメイク派は「ポイントメイクには口紅しか使わない」人が多いことも関係しています。またインドネシアでは長らくナチュラルメイクが流行していることに加えて、「礼拝の度に洗顔をする」という宗教的な理由もあり「そもそもしっかりメイクをするのが勿体無い」という通念が。
またインドネシアのコスメは未だに低品質のアイテムや類似した偽者のパッケージが出回っています。
口コミで周囲と情報交換をすることが日常であることも、日本以上に「買い物で失敗したくない」という事前準備の気持ちの表れかもしれません。
さらに特にジャカルタでは交通渋滞や環境汚染が深刻化している最中、移動手段がバイクである女性はすぐにメイクが崩れてしまいやすいことも懸念されています。
そして日本のように「仕事帰りに気軽に買い物に立ち寄る」ということも難しいこともあり、コスメ購入・情報収集にデジタル媒体やSNSを活用する女性が多いのだとか。
日本女性のナチュラルメイクは、多くの化粧品(基礎化粧品を含む)を使った上で丹念に作り上げられた「ナチュラル風メイク」であることが多いです。ですがインドネシアの女性にとっては、ほんの僅かな化粧品のみで「素顔にこよなく近いメイク」のことを指すようですね!