最低賃金策定委員会は5月 14 日、従業員 10 名以上の職場を対象に最低賃金を 4,800 チャット(= 約 390 円)と正式に発表した。
工場労働法監視局のニュンウィン局長は「以前からこの金額を超えている場合は変わらないが、そ うでない人は今日(5月 14 日)から権利を有する」とコメントした。同局長によると、労働者が当該最低 賃金を得られない場合は各郡区の労働局に申し出ることができるという。
最低賃金の金額設定に際し、労働者側は 5,600 チャット(=約 455 円)、雇用者側は 4,000 チャット (=約 325 円)を主張していた。今後は 2015 年9月に議会承認を受けた最低賃金法に基づき、2年ご とに見直しが行われる。
ラインターヤー工業団地のミャッティンアウン会長は「雇用者と労働者の間をとった設定で、歓迎す る。ただ月中の変更なので給与計算の場面では少し混乱があるかもしれない」と話した。既に新しい 金額での賃金支払いを開始していた企業とそうでない企業があるという。一方ミャンマー労働者組合 のイエウィントゥン氏は「月末に雇用者と労働者の間で混乱が起きるのは確実だろう。労働者の機会 権利が奪われることのないよう注視しなければならない」と語った。
1月以降、報道が続いた 最低賃金値上げであるが、今回が初めての引き上げとなった。3,600チャットから4,800チャットへ、33%の上昇。上昇幅はかなり大きく、その影響は広範に及ぶだろう。
先日は、公務員給料がアップしたとの報道があったが、この報道の裏には最低賃金引き上げの影響もあるだろう。今後、大卒者の新卒初任給が引き上がる可能性もあり、それに伴い、全体的に給与引き上げが起こってくる可能性もある。
最低賃金の引き上げの影響で、外資の投資が鈍る可能性もゼロではない。一方で、海外にいるミャンマー人が帰国するきっかけにもなりうる。多方面に影響を及ぼすであろう、最低賃金の引き上げが遂にはじまった。