フィリピンにおけるイスラム教の比率
フィリピンにおいて、イスラム教は記録が残っている中では国内最古の一神教です。14世紀にペルシア湾や南アジア出身のムスリム商人の他、マレー諸島における複数のスルターン政権下の信者が台頭したことに伴い伝来したとされています。2010年にアメリカ合衆国国務省が発表した国際信教の自由報告によると、ムスリムは総人口の5%から9%に当たります。
その大部分がスンナ派でシーア派は少数に留まるとのこと。なお、総人口の大部分がカトリック教徒である(東南アジア諸国連合加盟国唯一のキリスト教国)一方、一部民族集団はプロテスタント、ヒンドゥー教、仏教やアニミズムを奉じていることが特徴です。
またミンダナオ島ではムスリムの割合が島人口の2割を超えるため、バシラン、ラナオ・デル・スル、マギンダナオ、スールー、タウィタウィの5州から成る、イスラム教徒ミンダナオ自治地域(ARMM)が設置されています。ARMMは独自の政府を持つ唯一の地域であり、首府は治外法権下にあるコタバトとなっています。
ダバオ国際空港、ムスリム向けの施設を改善
その最中で今やダバオのゲートウェイとして多くの観光客が往来しているダバオ国際空港は、ムスリム観光客にも優しい施設づくりに取り組む姿勢を見せています。
Udenna Infrastructure CorporationのManuel Jamonir氏は今回、48.8憶ペソ相当の同空港の開発プランの一環として、広く便利な洗面付きの礼拝室や、ハラール対応レストランを含めた施設改善が計画されていることを発表しました。
ダバオ市観光局(Davao City Tourism Operations Office)のGenerose Tecson氏も、ムスリム観光客を考慮した施設改善の計画を支持するよう民間部門に促しています。ダバオ市は観光客が年々増加しており、ムスリム観光客の数を認知する方法を検討中だとTecson氏は述べています。
Islamic Tourism Center of Malaysiaによれば、これらの観光客数を認知することは、ハラール観光を支援するうえでとても重要だと説明。さらにUniversal Islamic CenterのMarilou Ampuan氏も、ハラル認証を取得した施設が今後増えれば、より多くのムスリム観光客がダバオに集まるだろうと述べています。