シンガポールがPHOの食品使用を全面禁止。オムロンヘルスケア新会社設立などシンガポールの健康意識の高まり

シンガポール政府 トランス脂肪酸を含有する油脂の使用禁止へ

シンガポールで健康への意識が高まっています。アムリン・アミン上級政務次官(保健担当)は6日の予算審議で、トランス脂肪酸の含有量が多い部分水素添加油脂(PHO:植物油に水素を添加してつくる半固体または固体の油脂)の食品としての使用を全面禁止すると明らかにしました。

現在、シンガポール販売されている油脂は最大2%のトランス脂肪酸含有が認められています。2013年に導入の規定で、国民のトランス脂肪酸摂取量は10年の1日2.1グラムから、18年には1グラに減少しました。 しかし世界保健機関(WHO)は、トランス脂肪酸は心臓病のリスクを高めるとして、食品に含めないよう呼び掛けています。

トランス脂肪酸が含まれている可能性のある食品は、スナック菓子、焼き菓子、調理済み食品、マーガリン・ショートニングの4種(麺、クッキーなど包装詰め商品を除く)。 アムリン氏は「工業的に生産されたPHOは有害であり、健康にマイナス。国内食品業界も禁止に賛成している」と述べました。業者には対応に時間的余裕を与えるとのことです。

また米国、カナダ、タイなどはPHOの食品添加を禁止しています。アプティマ・ニュートリション・アンド・スポーツ・コンサルタントのルーテンス氏によれば、多くの食品会社がトランス脂肪酸がゼロかほとんど含まない食品を生産しているものの、100グラム当たりトランス脂肪酸含有量が0.5グラム以下であればラベル表示をしなくてよいという抜け穴があり、0.1グラム以下に改めるべきとの意見です。

オムロン、企業向け健康管理サービスで合弁

またその最中、オムロン傘下で健康機器を開発・販売するオムロンヘルスケアは、予約・決済システム開発などを行うシンガポール企業アイアップスと合弁で同国に企業向け健康管理サービスの新会社を設立すると発表しました。

アイアップスが展開する政府系スポーツセンターの予約・決済システム事業を分離独立させ、新会社ハートボイスを設立する方針です。資本金は860万シンガポールドル(約7億円)で、アイアップスが70%、オムロンヘルスケアが30%を出資します。

アイアップスが持つアカウント管理や電子決済などのノウハウと、オムロンヘルスケアの家庭用血圧計など健康医療機器や家庭での高血圧管理ノウハウを活用することで、企業向けの社員健康管理サービスを開発・提供していきます。

アイアップスは同国政府から委託を受け、国の施策として運営する20以上のスポーツセンターの予約・決済システム「アクティブSG」を開発・運用。同システムを利用する会員の数は160万人を超えています。 シンガポールでは近年、年率7%のペースで医療費が増加する傾向にあり、うち約60%を企業や個人が負担しており、国や企業が国民や社員への予防医療の取り組みを強化しています。

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