インフレの影響を受けるフィリピン・ダバオ 市政府が消費刺激で商品割引政策を実施
ダバオ地方のフィリピン統計庁(Philippine Statistics Authority)の統計データによると、2018年8月におけるダバオ地方のインフレ率は7.1パーセントとなっています。これは、全国のインフレ率(6.4パーセント)と比べても明らかに高いことが分かります。
満足な収入が得られない世帯にとっては、価格上昇は厳しい問題です。そこで貿易産業省は「Diskwento Caravan」プロジェクトを発足しました。これは「割引キャラバン」と呼ばれ、消費者に対して基本的なニーズや生活必需品を割引価格で提供することが目標です。一時的にでも手頃な価格で物資や生活必需品を購入できるのは大変有益かと思われます。
ミンダナオの農業をさらに活性化するための提案
その最中、国内での生産率を上げるためにフィリピンはミンダナオの農業をさらに活性化するための提案が求められています。フィリピン大学ミンダナオ校の准教授Annabelle U. Novero氏は、フィリピンの農業にとって、さらなる競争力のある科学技術産業を促進する為の研究開発追加予算が必要だと語りました。
同氏は、追加予算が得られることによって、より多くの研究施設・設備が整えられ、多くのラボラトリーテストが実施されることで、フィリピンの農業やその他セクターの改善につながるとしています。また同氏は、ダバオ地方のココナッツに関する研究結果についても言及し、同地方のココナッツ農家にとって非常に有益であるとも付け加えました。
農業用貯蔵庫の増設 農家の収入増加に期待
またフィリピン南部開発庁(Southern Philippines Development Authority、以下SPDA)の経営管理者であるCristy B. Dagala氏は、追加予算の増加に加え、農家施設の増加に向けて実現可能性の調査を進めていると発表しました。ミンダナオ内の農業従事者たちの収入を上げられるとして、貯蔵庫増設の優先度は高いと考えられます。
同氏はダバオ市内のSPDAオフィスで開かれた記者会見の際、「ミンダナオには豊かな生産を約束する農地が多いため、同地方は農業の潜在力が極めて高い。」と述べたほか、ミンダナオはバナナの輸出地方としても有名だと付け加えました。
Dagala氏はまた、農業従事者は収穫物用の倉庫を必要としていること、農業施設への投資を増やすためにも、SPDAは農業経済特区の更なる開発を提案していることにも触れました。農業に従事する人々の暮らしを改善するためにも、今後の十分な研究開発費用の確保に期待が向けられています。