フィリピン初の地下鉄現実化へ!全面開通は2025年。2022年に先行開通

フィリピン初の地下鉄路線がようやく現実に

2月27日、マニラ首都圏地下鉄事業の起工式が事業関係者によって行われました。 この地下鉄はフィリピンでは初めての路線となります。

  • 起点:首都圏ケソン市のキリノ・ハイウェー
  • 経由:新興ビジネス街であるボニファッシオ・グローバル・シティ
  • 終点:マニラ国際空港第3ターミナル
  • 全長:約36km
  • 路線数:15駅
  • 時速:80km
  • 総事業費:3750億ペソ(約8300億円)
  • 利用者予想:先行開通区間は19両編成の車両で2000人、3駅間で全線開通時には1日37万人を想定

キリノ・ハイウェーから空港までは36分の所要時間を予定していています。また全面開通は2025年を予定していますが、ドゥテルテ大統領の任期が終わる2022年には間に合わないために、ドゥテルテの実績作りとしてキリノ・ハイウェー駅、タンダン・ソラ駅、ノース・アヴェニュー駅の3駅間を2022年に先行開通させる見通しです。

またこの最初に開通する区間には日本の政府開発援助資金(ODA)、510億ペソ(約1100億円)が投入されています。一部からは安倍自民党政権による『ドゥテルテへの媚び』ではないかと批判されています。
これは2019年1月に、ドゥテルテの地盤ダヴァオ市にある在フィリピン日本大使館出張駐在官事務所を費用対効果が薄い中、総領事館に格上げしたことと相まって、その傾斜振りに不公平という声も挙がっています。

とは言え、日本のODAはいわゆる「紐付き援助」であり、工事に携わる企業は日本企業という枠があって、清水建設、フジタ、竹中土木など日本の大手ゼネコンがフィリピン側企業と合弁を組んで、先行区間を担当しています。 

また、全ての路線が開通する2025年には1日150万人になると見込んではいますが、現時点では予想運賃などは示されていません。

工費、維持費が他の交通機関と比べて割高になる地下鉄の運賃を利用者が払えるかとの指摘も出ています。

実際に、タイ・バンコクの地下鉄などは当初運賃の高さから利用者が少なく、一時は無料措置を取ったこともあり、交通機関としては優れているものの政府による運賃補助などが必要と見られ、新たな財政負担が生じるのではと見られます。先行開通区間の起工式にはこぎつけたものの、それから先の区間は設計、担当会社など全く決まっていない状態です。

入札は来年以降に行うと担当官庁は述べていて、この泥縄振りから早くも2025年には間に合わないとの指摘も出ています。過去に交通の切り札として建設されたマニラ首都圏軽車両網も爆発するマニラ首都圏では既に飽和状態となり、保守の悪さから運休事故が多発。

そういった中、高度な管理が要求される地下鉄がこのフィリピンで安心して運行されるかどうか、ドゥテルテの実績作りより安全第一で工事をするべきとの指摘が強いです。

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