フィリピンのジプニー、廃止撤廃
以前こちらの記事にて、フィリピン乗り合いタクシー「ジプニー」のスクラップ案の方針についてご紹介しました。フィリピンのインフラカルチャーとして重要なジプニーではありますが、環境汚染や道路インフラ改善のための案として提議されていました。
ですがその後明確な具体策などが出ずに住民の不安が広まっていましたが、陸運組合局(Office of Transportation Cooperatives:以下OTC)のRamil Henderson Urrera氏は今回、公共交通車両近代化プロジェクト(Public Utility Vehicle Modernization Project:以下PUVMP)によるジプニーの廃止はないと発表しました。
また、本プロジェクトはより便利で安全な交通システムの導入を目指す方針です。 統制かつ環境的にも持続可能な交通セクターへのイニシアティブであるPUVMPは、自治省(Department of Interior and Local Government)、フィリピン運輸省(Department of Transportation)、地方自治体、ならびに陸運管理委員会(Land Transportation Franchising and Regulatory Board)などの陸運組合や機関によって概念化されたものとなります。
新型ジプニー4種類設計に
ジプニーは元々車体形状が様々であり、キャブ・オーバー・ザ・エンジンのものも大小存在し、エンジン・アクセスのためのキャブ前傾機構も残されているものがあります。戦後にアメリカ軍が払い下げたジープを改造して乗り合い用車として仕立て上げた歴史があり、国民に長年親しまれてきました。
今回Urrera氏は、数十年にわたって市民の足として利用されてきたジプニーは、廃止の代わりにより近代化されると説明しており、今回のPUVMPに加えて、特定の通勤者のニーズに合わせた4タイプのジプニーが設計されると述べました。
ダバオ市ではほとんどの場合、交通手段はタクシーまたはジプニーのみであり、バスは隣町といった長距離移動に利用されています。公共交通車両が増えれば、市民は空いた乗り物を長い時間待つ必要もなくなる見通しです。当初発案されたスクラップ案により個人車に乗り換えることの困難さが指摘されていましたが、ようやく現実的な対策方針が提議され、注目が高まります。