デング熱からの死亡者 今年45人超える
タイ保健省によると、年初から7月末までにタイ国内で報告があったデング熱、重症型のデング出血熱とデングショック症候群の患者数は3万7793人で、このうち45人が死亡ました。
人口10万人あたりの患者数が最も多かった県はバンコク西郊のナコンパトム県で145.7人。次いで南部プーケット県139.4人、北部ピジット県138.1人、北部ターク県134.2人、南部クラビ県131.7人。 バンコクでは3584人の感染報告があり、2人が死亡しています。
テング熱の症状
デング熱はデングウイルスを持つ蚊に刺されることで感染します。予防接種や予防薬、特効薬などは現時点ではなく、蚊に刺されないことが唯一の予防方法です。1度かかると免疫ができますが、異なる型のデングウイルスに感染した場合は再発症してしまいます。
デング熱を媒介する蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)の活動時間は夜明け少し前から日暮れまでの間。特に朝と夕方が活発になりますが、室内にいる蚊であれば夜間でも刺すことがあります。感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は通常3日間から7日間。症状は急激な発熱(38~40度)、頭痛、関節痛、筋肉痛などであることが特徴です。
特効薬が無いので一般的には対症療法が行われます。発熱は3~5日間継続し、解熱とともにかゆみをともなった発疹が胸部や四肢に広がることがあります。食欲不振、全身倦怠感は1~2週間続きます。血小板が減少した例では、鼻出血、歯肉からの出血、生理出血の過多が起きることがあります。
命に関わるテング出血熱
通常テング熱は1~2週間程度で回復し、後遺症をともなうことはほとんどありません。また特別な治療を行わなくても重症に至らない場合が多いので、一般的なテング熱での死亡率は1%以下だと言われています。
ですが時折「デング出血熱」という重とくな病気に進展することがあります。このデング出血熱は「出血、血小板の減少、または血漿(けっしょう)漏出を引き起こしたり、デングショック症候群に発展して出血性ショックを引き起こす」ことがあるのが特徴であり、口や鼻などの粘膜からの出血をともないます。死亡率の低いデング熱と異なり、通常でも10%前後、適切な治療を受けない場合は40~50%もの患者が死亡すると言われています。
デング熱にかかった人がデング出血熱になるかどうかは事前に予測できません。テング出血熱が広まった主な原因として、急激な都市化や地球温暖化、また国際化による人の往来の増加による感染拡大が関与していると考えられています。