インドネシア地震死者90人を超える
インドネシアの観光地ロンボク(Lombok)島で5日、マグニチュード(M)6.9の大規模な地震が発生しました。国家災害対策庁の報道官は現時点において、90人以上が死亡、数百人以上が負傷したと発表されています。この地震により家屋が損壊し、観光客や地元住民がパニックに陥りました。ロンボク島では先月29日にもマグニチュード6.4の地震があり、14人が死亡、160人以上がケガをしています。
ロンボク島の面積はおよそ4500平方キロメートルで、一回り大きいバリ島の西側に位置しています。ロンボク島の人口は約300万人、バリ島は約400万人ですが、どちらも世界中から何百万人もの観光客が訪れます。夏休みの観光シーズンを直撃した今回の地震が、地元の人々のみならず他国の観光客にも被害が出ていることが明らかにされています。
日本人負傷者は1名軽症。観光客らは避難
国家防災庁の報道官はAFP通信の取材に対し、ロンボク島の主要都市マタラムで多くの建物が被害を受けたと説明しました。建物の大半はぜい弱な建材を使っていたとのことです。マタラムの住民は地震発生時の様子を「大きな揺れを受けて大勢が建物から逃げ出した」と説明。イマンさんは「みんながすぐに家から飛び出した。みんなパニックしていた」と話しました。マタラムではいくつかの地域で停電が発生していて、マタラム市の病院やバリ島・デンパサールの病院では、患者が医師らに付き添われて道路に避難しました。
現在確認されている死亡者は全員インドネシア人との報道がされている中、デンパサールの日本総領事館によると、負傷者のうち1人は40代の日本人女性だが軽傷とのことです。ですが救出活動は難航しており死傷者はさらに増える恐れがあります。一方、相次ぐ余震や一時出された津波警報を受けて、計2000人以上の外国人や観光客が避難しています。
ダイバーに人気のロンボク島沖のギリ3島も被害に遭い、捜索・救助隊を率いるイ・ニョマン・シダカリャ氏は、700人の観光客と地元住民が避難する予定だと話しました。シダカリャ氏は現地放送局テレビ・ワンに対し「何人かは負傷し、ショックを受けている」と説明しています。
インドネシアは環太平洋火山帯に位置する地震多発地帯。地球上の活火山の半分以上がこの火山帯に位置しています。2016年12月にスマトラ島北東沖で起きたM6.5の地震では100人以上が死亡し、4万人以上が家を失いました。