8月アジア競技大会に向けて海水の水質が懸念されるジャカルタ
インドネシア・ジャカルタで開催される第18回アジア競技大会。2018年は8月18日から24日までの開催期間となっています。7月に入りいよいよ本番も近づいてきた中で、北ジャカルタ区西アンチョールでは6月末日、セーリングのアジア選手権が行われました。ですがその中で体調不良を訴える選手が続出しました。
ジャカルタ湾の強い風にあおられ、舵を切った際に生活排水などで汚染された海水を浴びたことが原因として考えられています。8月のの本大会までに水質が改善する見通しは現時点ではなく、本番では海水対策が好成績を残す鍵の1つとなりそうです。
「水質以外にも強風・熱中症など懸念が多い」
同選手権は6月の20~25日の期間で開催されたもので、アジア大会におけるセーリング協議のテスト大会の位置づけでした。
インドネシア・セーリング協会(PORLASI)によると、競技の運営と施設の試験を実施。当初、26~30日に開催予定だったが、アジア大会の選手登録期限の30日を前に、余裕を持たせるために日程を早めたとのことです。
会場には今月中旬の完成を目指す国内初のセーリング専用施設「国立セーリング・センター(INSC)」があり、こちらは約200隻ものボートを収容できるとのこと。同選手権には中国や韓国、香港、インド、マレーシアなど16カ国・地域が参加するとされ、日本代表の中村健一470級男女担当コーチはジャカルタでの大会参加は初となります。
同コーチは「現地の状況を確認しに来た」とテスト大会を訪問。24日で4日目となりましたが、
「会場の水質が悪い。毎秒8メートルと風が強く、競技中に海水が口に入ってしまった選手が体調を崩したり、暑さで熱中症になっている」
と頭を抱えています。現に日本選手の内の1人は24日の470級第1レース後に体調不良を訴え、救急車で病院に搬送され治療を受けたとのことです。
期間不足により現在以上の水質改善は絶望的か
日本選手以外も他国選手が不調を訴えるケースがりました。ですが同選手権の岡田彰プリンシパルレースオフィサーは
「国際オリンピック委員会に水質データの提出を求められることはあるが、明確な基準があるわけではない。一般的に、泳ぐのに適している基準であれば問題ない」
と説明しています。これに伴ない選手サイドはごみ回収ボートを出す・各自治体が河川を浄化することなどを求めましたが、「期間が足りず、水をきれいにすることは全く厳しい」と語ったとのことです。
インドネシア代表チームコーチの1人、ウェン・サム・シーさんは「1970~80年代はまだ水質が良かった。人口増加に伴う沿岸部の開発などで汚染されてしまった」と話します。
- 第18回アジア競技大会公式HP:https://asiangames2018.id