変化する訪日需要 ベトナムや中国の外国人客数は?2018年から見る「爆買い国」の移行も

2018年訪日客は?アジア各地で記録的な客数に

2018年の日本における訪日外国人客数は3,119万人を記録し、中国では全市場で初めて800万人台に達しました。タイでは113万人と東南アジア市場で初めて100万人台を突破するなど、他国各地で記録的な外国人訪国数となりました。訪日市場は、東アジアからの訪日客のリピーター化や、東南アジアの訪日客が前年比で大きく増加するなど、常にトレンドが変化しています。

また観光庁では、団体旅行の割合が高いベトナムで現地旅行会社に向けた取り組みを強化し、セミナー商談会や旅行会社と連携した訪日旅行推進キャンペーンなどの実施や、SNSでの情報発信に力を入れていました。このような取り組みがベトナム訪日客の伸び率上昇の後押しをしたと考えられます。

2018年インバウンド市場に関わる主な出来事

  • タイ・エアアジアX:札幌―バンコク便再開開始(4月)
  • Airbnb:住宅宿泊事業法の施行に伴い、6月15日以降の無届け物件の予約大量キャンセル(6月)
  • 地震と台風の影響で2013年以来、5年8か月ぶりに前年同月比で訪日数減(9月)
  • 台湾:遠東航空 新潟―台北線12月~3月インバウンド向け臨時便を週4便へ増便(12月)
  • シンガポール航空:羽田便を1日4便に増便 (12月)

昨年は自然災害などがとても多く、特に夏から秋にかけては韓国・台湾の訪日が前年を下回りました。この対策としてはSNSなどを通じて正確な情報を届けるなどを行い、結果的に前年の同月を上回る観光需要の復旧に至りました。

リピーターから見る訪日需要の変化

訪日客のリピーターの割合が増えていく中で、東南アジアのシンガポール(+6.6%)、ベトナム(+5.5%)、インド(+23.9%)について、初回訪問の比率が増えています。これらの国々は、東アジアと比較して移動距離が長いため、リピーターを獲得するための施策を強化していく必要があると考えられます。また訪日に限らず、越境ECなどを通して日本文化や日本の商品への需要を継続的に誘発する施策を考えていく必要があるとされます。

またリピーターの多い台湾・香港では、娯楽や買い物より宿泊や飲食費にお金をかける傾向にあります。対して、タイ・シンガポール・マレーシア・ベトナム・インドでは娯楽サービス費にお金をかける傾向にあります。中国人の買い物代は97,719円と高いものの、前年同期比は-5.2%となっており、中国人の「爆買い」は近年鈍化傾向にあります。

対して、フィリピン人の買い物代は31,637円から44,817円で前年同期比+41.7%と大幅に伸びています。このことから次の「爆買い需要」は中国人からフィリピン人に移行されることも考えられ、より訪日需要に特化した対策を講じていくことが必要となるでしょう。

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