フィリピン・ダバオで新バスシステムを計画 交通渋滞の解決を目指す
ダバオ深刻なインフラの問題の1つである交通問題。ダバオ市が計画しているハイプライオリティーバスシステム(High Priority Bus System 以下、HPBS)プロジェクトでは、フィリピン運輸省(Department of Transportation、以下、DOTr)が本プロジェクトへの資金援助を行うことを発表しました。
ダバオ市計画開発局(City Planning and Development Office)の関係者であるIvan Cortez氏は今年の1月8日、HPBSの完全実施に対する国家予算の承認が待たれる間、ダバオ市政府はDoTrより提供される援助金2億ペソを利用すると述べました。同氏はダバオ市における現在の交通システムは非常に非効率的であり、多くの市民が交通渋滞への不満を募らせていると指摘。また、ダバオ市がHPBSへの支援を民間の投資家にも求める可能性があることも明らかにしました。
Cortez氏によると、2億ペソの一部は、プロジェクトの初期フェーズで計画されている、新しいバスルート、信号システム、影響を受けるとされるジープニーなどの公共交通機関への補償を含めたマスタープランの作成に割り当てられます。合意覚書がすでに承認されていることから、プロジェクトの実施は確実になっていると思われます。
駐車場建設で交通問題を解消へ
またダバオ市投資促進センター(Davao City Investment and Promotions Center:以下、DCIPC)の関係者であるLemuel Ortonio氏は、ダバオ市内での駐車施設立ち上げに関して2企業が興味を示したと発表しました。DCIPCは、2018年1月に開かれた第18回ダバオ市議会の際に、所有する土地を公共駐車場に転用した不動産所有者・開発業者に対し特別インセンティブを与えるという条例が承認されて以来、市内の対象者に対してその旨を書いた文書を送信しており、今回その中の2企業が名乗りを上げています。
本条例では、それぞれの土地を駐車場に転用できる資格がある不動産所有者に対して2年間の不動産税免除が与えられる上、当該所有者が駐車施設を開発あるいは建設した場合には、不動産税免除期間が5年に延長されるというもの。Ortonio氏は、新たな駐車施設がダバオ市の交通問題や渋滞解消に貢献することを期待しており、駐車施設建設計画は有意義なものであると付け加えました。
特にダバオ市のダウンタウンエリアでは、駐車できる場所が非常に限られていることから路上駐車をする車両が依然として多いです。ただでさえ道幅が狭い道路がさらに狭くなるため、交通渋滞の原因にもなっています。新バスシステムと駐車場による免税から、少量ずつでもダバオのインフラ問題が解決していくことが期待されます。