ヤマトホールディングスは、ミャンマーの店舗や個人向け小口配送マーケットに参入するため、合弁会社「ヤマト・グローバル・ロジスティクス・ミャンマー」をヤンゴン市に開設した。
同社のミャンマー事業として、まずはフォワーディング事業(航空、海上、陸上)、海外引越事業、倉庫事業を展開していき、いずれは小口配送サービスも視野に入れているという。同社はタイ、マレーシア、シンガポールで同様のサービスを展開しており、それらのネットワークと経験を活用して東南アジアのマーケット拡大を見込んでいる。建築資材や部品の運送の他、水産製品や野菜の冷蔵車での配送サービスを予定しているが、サービス開始時期は明らかにされなかった。なお、合弁相手は、Aye International Group。
同社は 2016 年にマレーシアの OTL グループを買収した。OTL はタイ・ベトナム経由でシンガポールから中国までをつなぐ巨大ネットワークを持っており、ミャンマーの新会社でもこれらを活用することができる。現在ミャンマーからタイへ接続する道路や税関ゲートの建設工事が行われている。
近隣諸国でも同様のサービスを展開していることから、ヤマトは、東南アジア市場の開拓・拡大に関するノウハウは持ち合わせている。ミャンマーとなれば、また勝手が違う面もあるだろうが、日本で蓄えた圧倒的な知識と経験に加えて、東南アジア各国での知識と経験を武器に、市場を席巻する可能性も大いにある。
ミャンマーでは、今のところ 小口物流を専門に行う圧倒的な強者はいない状況。5年後、10年後を考えた時に、ヤマトが業界トップの立場に立っているのだろうか。サービスイン、さらには、その後の業務拡大の状況、いずれもウォッチし続けたい。決して便利とはいえない、ミャンマーの小口物流事情がガラリと変わっていくことに期待したい。