吉本興業がアジア動画配信大手「iflix」に出資

吉本興業がアジア動画配信大手「iflix」に出資
合弁会社で日本の動画コンテンツをアジア市場に提供

吉本興業は8日、アジアを中心にインターネットの映像ストリーミングサービスを展開するマレーシアの動画配信大手「iflix(アイフリックス)」に出資することで合意したと発表しました。両社は合弁会社を設立し、よしもとグループなどが制作する日本の動画コンテンツをアジア市場に向けて提供していきます。今回は、吉本興業として初の海外メディアへの出資で、今後のアジア展開に向けた地盤づくりを加速させます。

■アジアのメディア市場へのPR効果も
アイフリックスは、アジア・中東・北アフリカの22カ国で映像ストリーミングサービスを提供するアジア圏最大の動画配信事業者で、米動画配信大手「Netflix(ネットフリックス)」のアジア版ともいえる存在です。2015年にマレーシアで創業し、アジアを拠点に新興市場に向けて事業を展開してきました。
近年では、それぞれの国にローカライズされたドラマやリアリティーショウなどの現地オリジナル作品に力を入れ、アクティブ会員は1000万人以上(2019年4月現在)と大きく増加しています。同社は、これまでも大型の資金調達を成功させていて、世界から注目される成長企業となっています。

今回の合意によって、両社が50%ずつ出資する合弁会社を5月ごろまでにシンガポールに設立します。日本のコンテンツを調達して、アイフリックスのテリトリーであるアジア・中東・北アフリカの地域に提供する総合窓口としての機能を果たすほか、今後、両社がアジア市場向けのオリジナルコンテンツを共同制作する際のプラットフォームになります。
また、こうした提供コンテンツの視聴行動データをもとに、今後のアジア市場向けのオリジナルコンテンツ制作に役立てていきます。アイフリックスに向けた日本企業からの出資は今回が初めてで、吉本興業にとってアジアのメディア市場へのPR効果も期待できます。

「視聴行動データ分析」と「ローカライズ」
この日に開かれたメディアカンファレンスでは、吉本興業の清水英明副社長と、アイフリックスの共同創設者でグループCEO(最高経営責任者)のマーク・ブリット氏が登壇し、両社の合意内容と今後の展望について説明しました。

ブリットCEOによると、アイフリックスの強みは、東南アジアを中心とした新興市場の「中間層」と「若年層」から支持を得ていることです。東南アジアには、スマートフォンなどデジタルデバイスのユーザーが6億人いるとされ、アイフリックスがターゲットとしているのは、まさにその人たち。
「世界の富裕層は、米国の大学に行き、欧州や日本のクルマに乗り、英語を話し、iPhoneを持ち、そして、ネットフリクスを見ています。しかし、東南アジアでこの層はわずか1%のコミュニティーでしかない。この地域の年収100万円足らずでアンドロイド携帯を持ち、クルマを持たず、テレビもない、そんな中間層や若年層はみんなアイフリックスを楽しんでいるのです」(ブリットCEO)

その大きな市場をおさえるためのポイントは2つあるといいます。まず、各地域・ユーザーに向けて、膨大な視聴行動データの分析によって導き出される最適コンテンツを配信すること。そして、機械学習によって半自動化された字幕スーパーでローカライズを強力に進めることで言語の壁を乗り越えること。

吉本興業が今回のパートナーシップで重視したことも、この点でした。清水副社長は「アイフリックスは、東南アジアでのネット環境の発展を見据えて積極的に投資し、事業展開しているエネルギッシュな会社です。ローカルに焦点を当て、アジア各国のマーケット分析による膨大な知見を持つことに魅力を感じました」と語りました。

■オールジャパンでアジア展開
合弁会社では、まずは吉本興業が制作したコンテンツや、日本の既存の人気動画コンテンツ(アニメ・ドラマ・映画・バラエティ・コメディなど)を中心に提供し、それがどう受け入れられたか視聴行動データを分析したうえで、そのニーズに合ったオリジナルコンテンツをつくっていきます。そして、こうした動きを呼び水に、将来的には、吉本興業以外の日本のメディア事業者も巻き込んだ、オールジャパンのコンテンツをアジアに向けて展開していきたい考えです。

吉本興業は、これまでも積極的にアジア展開を進めてきました。2014年にアジア戦略の拠点として、インドネシアに「MCIPホールディングス」を設立し、アジア7カ国・地域に「住みます芸人」を派遣。2018年4月には、インターネット上でさまざまなコンテンツを配信する国産の総合プラットフォーム「沖縄アジアエンタテインメントプラットフォーム」の設立構想を発表しました。
清水副社長は「今回、アジアの大手メディアに出資することは、吉本興業のアジア戦略にとって大きな一歩となります。こうした動きが、いずれオールジャパンのアジア展開につながることを期待します」としています。

また、ブリットCEOも「ここ3年で韓国のコンテンツがグローバルに評価されるようになりましたが、今回の吉本興業とのパートナーシップを機に、2年で日本のコンテンツがそれを超えるような状況を目指します。いろいろなコンテンツを共同制作し、6億人の視聴者に新しい驚きを届けたいと思います」と意気込みを語りました。

■ABOUT IFLIX
iflix(アイフリックス)は、東南アジアを代表するエンターテインメントサービスで、インターネット上に接続されているあらゆるデバイスにテレビ番組、映画、ハイパーローカルオリジナル、プレミアム生放送スポーツ、世界中からの最新ニュースのストリーミングまたはダウンロードがどこでもいつでも可能です。

アイフリックスは現在、iflixFREEおよびiflixVIPを通じて、2つの優れた体験をユーザーに提供しており、マレーシア、インドネシア、フィリピン、タイ、ブルネイ、スリランカ、パキスタン、ミャンマー、ベトナム、モルディブ、クウェート、バーレーン、サウジアラビア、ヨルダン、イラク、レバノン、エジプト、スーダン、カンボジア、ネパール、バングラデシュ、モロッコのお客様が利用可能です。

アジア、中東、北アフリカの10億以上の消費者が利用できるようになったアイフリックスは、ビデオストリーミングのマーケットリーダーとしての地位を確立しました。多くの初回限定番組や受賞歴のある番組を含む、ハリウッド、地方、地元の人気テレビ番組や映画の膨大なライブラリーを消費者に提供することで、ユーザーは電話、ラップトップ、タブレットなど最大5つのデバイスでサービスにアクセスできます。テレビは、いつでもどこでも視聴できます。

詳しくはこちらをご覧ください。 https://blog.iflix.com

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