セブ島人気アクティビティ「ジンベイザメウォッチ」の値上げ。そこに隠された複雑な観光・環境問題

地元の観光名物「ジンベイウォッチ」に暗雲

フィリピンのセブ島南部西海岸にあるオスロブ町での観光業を支えているのは、地元に生息するジンベイザメのウォッチングです。ジンベイザメは地元では「ブタンデン」の名前で知られ、定番人気の観光地であるセブ・マクタン島からオスロブ町までは片道3時間というアクセスの悪さにも関わらず観光客には人気のアクティビティとなっています。

ですが昨今、このジンベイザメ・ウォッチを目的とした観光客の殺到により、安定した持続の提供が難しい自体となっていました。ゴミのポイ捨てなどの観光客のマナーが悪化し、近年の海洋変化も伴なって「ジンベイザメの地元離れ」も懸念されてきているのです。

観光客無視の値上げの背景

 

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元々このジンベイウォッチは地元の民間業者で管理されているアクティビティであり、見物方法によって料金も違います。またフィリピン人であるか・外国からの観光客かによっても大きく価格が違うことも暗黙のマナーとされ、僅か30分の海洋ツアーにも関わらず料金が高いことも指摘されていました。

アクティビティ自体の主な内容としては、小さなボートに乗って船上から眺めたり、シュノーケリングやダイビングで近くで一緒に泳ぐことを目的としています。そして今回、どの体験内容を担っている業者であるかにも関わらず「1日に受け入れる観光客の制限」が設定されることになりました。

 

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ですが、中でも「船上見学」を生業としている元漁師たちからは反対意見が目立ちます。話し合いの場が持たれた結果、「1日800~1000人を受け入れる」ということで意見が合致。人数制限に伴ない、観光客のユーザーボイスを無視した「料金値上げ」も決定したように思われました。

ですが内訳は、仮に1日当たり800人にした場合の受け入れ方法は「600人をセブ・マクタン島などからの団体ツアー客用とし、残る200人の枠は地元用にする」というもの。これは「マクタン島で営業する旅行会社の利権化を推進している」との批判も大きいです。

ジンベイザメに生かされる経済、人間に振り回されるジンベイザメ

 

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観光客を含めた餌付けによって、地元のジンベイザメたちは野生として生きていく能力を失っていると考えられます。そして世界的な海洋変化が影響し、ジンベイザメそのものがオスロブ海域の回遊から去っていく可能性さえ懸念されているのが現状です。

ですが地元業者・観光客・旅行会社のバランスが崩れると、ジンベイザメ観光に依存したオスロブ町の経済インフラにも亀裂が入る危険が高いです。人間の都合で振り回されているジンベイザメの生体問題も、無視できない壁として立ちはだかっています。

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